構造改革 structural reform 2005 3 11
時々、知人や友人から、こういうことを聞かれます。
「政府は、構造改革を、まるでスローガンのように主張しているが、
そもそも、なぜ、構造改革をやらなければならないのか。」
こういう質問は、実に素朴な質問ですが、重要なことです。
その答えは、少子高齢化です。
少子化が進めば、将来の勤労者(納税者)が減少します。
これは、政府や地方自治体にとっては、収入(税収)の減少を意味します。
一方、高齢化が進めば、年金受給者が増加します。
これは、政府や地方自治体にとっては、支出(社会保障費)の増加を意味します。
つまり、収入が減るのに、支出が増えるのです。
だから、改革(構造改革)をやる必要が出てきたのです。
逆を言えば、少子化がなければ、
つまり、人口増加社会ならば、構造改革は必要ありません。
この問題(少子化)は、企業にとっても、無縁ではありません。
少子化で人口が減少すれば、当然、国内市場は縮小します。
市場が縮小するから、企業の売上高も減少します。
企業の売上高が減少すれば、給料を増やすわけにはいかないでしょう。
これでは、企業としては、国内市場で食べていけませんので、
アメリカや中国という大きな市場に進出するのです。
そういうわけで、企業にとっても、
少子化がなければ、つまり、人口増加社会ならば、
わざわざリスクのある外国市場に進出する必要はなかったとも言えます。
長期的には、少子化対策は、
郵政改革よりも、はるかに重要なテーマです。